水のコラム

排水と汚水は違うもの?排水にはどんな種類がある?

2024年06月24日  その他


排水と呼ばれる水には、どのような種類があるかご存じでしょうか?
排水には大きく分けて5種類あり、家庭から排出される排水も、2種類に分けられます。
 
排水は蛇口からそのまま下水管に流れるわけではなく、排水トラップや排水管を通り、下水管へと流れていきます。
 
排水を処理する下水管にも種類があり、排水を処理するためには様々な設備が必要となるのです。
 
本記事では、排水の種類や排水に必要な設備について解説をしていきます。
 

排水には5種類ある

排水には5種類あり、家庭だけではなく、飲食店や病院などから排出される排水も種類分けがされています。
 
排水が「廃水」と呼ばれることもありますが、これは廃水が汚水そのものを示す言葉だからです。
排水は汚水を外に排出することを指し、廃水は排水される汚水のことを指します。
 

汚水

排泄物が含まれる排水のことを汚水と言います。
一般的に排水というと、この汚水のことを思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。
家庭から排出される排水は汚水と同一視されていますが、排泄物が含まれない排水は、汚水とは別ものです。
 

雑排水

キッチンやお風呂、洗濯機など、排泄物が含まれない排水を雑排水と言います。
トイレから出る排水以外はすべて雑排水の扱いになり、家庭から排出される排水の過半数は雑排水です。
 

厨房排水

飲食店の厨房から排出される排水を、厨房排水と言います。
厨房にはグリストラップの設置が義務付けられており、排水管に排水する前に、グリストラップで食べ物のカスや油などを取り除く必要があるのです。
 

特殊排水

病院や工場から排出される、放射線物質や有害物質が含まれた排水を、特殊排水と言います。
特殊排水は有毒性や有害性をもつため、滅菌処理や放射線を減衰させる処理、有害物質を取り除く処理などを行った後にしか放水できません。
 

雨水

雨水も排水の一部ではありますが、排水方法によって雨水は雨水管を通って河川などに放水されるため、汚水の排水とは異なる扱いになることがあります。
雨水と同様の扱いをする排水には、湧き水や雪解け水などの自然現象から発生する水が含まれるでしょう。
 

排水管設置の種類

排水は合流式か分流式のどちらかの配管を通って、下水処理場まで運ばれます。
 
排水管と下水道管に違いはなく、一般的には敷地内を流れる排水が通る管を排水管、敷地外を流れる排水が通る管が下水管と考えられていることが多いでしょう。
 

合流式の排水管

1本の排水管で、排水を下水処理場に運ぶ方法です。
埋設する下水管が1本のみで良いため、地下に配管スペースがない場所でも配管できるというメリットがありますが、大雨や台風など、雨量が多いときには水の処理が追いつかず、汚水が逆流したり、汚水のまま河川などに放水されてしまうデメリットもあります。
 
デメリットから生じる危険性が問題視されており、新しく設置される排水管では採用されることが少なくなっている方法です。
 
奈良県奈良市では、旧市街地を中心に合流式の排水管が多く設置されており、「合流改善・浸水対策事業」を行っています。
この事業は排水管から溢れた水が公共用水域に流出する回数の減少や、夾雑物(きょうざつぶつ)の流出防止を目的とした、平成25年までに完了している「合流式下水道改善事業」を適切に維持管理するために設けられた事業です。
 
参考:奈良市企業局
 

分流式の排水管

汚水と雨水を、それぞれ別の下水管へ排水する方法で、現在では分流式が主流です。
雨水は雨水管に排水され、汚水は雨水管以外の排水管に排水されます。
 
排水管が分かれていることにより、大雨や台風などの自然災害の際にも強く、汚水が逆流することや汚水のまま河川などに放水されることがありません。
また分流式の場合には、雨水は雨水管を通りそのまま河川に放水されます。
 

排水の方法

通常、排水が自然に排出されるように、排水管は角度をつけて設置がされます。
角度がつくことで重力に逆らわず、自然と排水管の中を流れていくのです。
 
しかし、大雨や台風などの雨量が多く排水が追いつかないときや、自然に排水されないときにはポンプで強制的に排水する方法を設けている市区町村もあるでしょう。
 
自然に排水させる方法を「自然排水方式(重力式排水方式)」と言い、強制的に排水する方法を「強制排水方式(機械式排水方式)」と言います。
 

排水処理システム

排水処理システムには、病院や工場から排出される排水から有害な物質などを取り除くシステムと、排水を再利用できる中水に換えるシステムがあります。
 

排水処理装置

病院や工場などから排出される、有害物質などを含んだ危険性のある排水は、河川などに放水する前に、排水処理装置で有害物質などを取り除くための処理が行われます。
 
病院から排出される排水には放射線物質が含まれていることがあり、工場から排出される排水にはメチル水銀などが含まれていることがあるでしょう。
4大公害病の一つである水俣病は、工場排水に混ざったメチル水銀に汚染された水に住む魚類や貝類を食用したことが原因だと言われています。
自然や人体に有害な物質を排水から取り除くことで、安心して生活を送ることができるのです。
 
排水処理装置には「生物処理法」や「活性汚泥処理法」、「膜分離活性汚泥法」が用いられており、排水処理施設により、処理法は異なるでしょう。
 

排水の再利用

家庭や厨房から出る排泄物が含まれない排水は、中水に変えることで再利用することが可能になります。
中水とは、飲用水以外で利用することができる、人体に悪影響を及ぼさない水です。
トイレや工業用水として再利用されていることが多く、雨水も中水として再利用することができます。
 
中水に変えるためには排水処理が必要となり、生物分解で処理する方法や、膜を用いたろ過で処理する方法があります。
 
奈良県奈良市には、株式会社環境衛生水処理センターが、一般社団法人奈良県環境保全協会の保守点検業会員名簿に登録されています。
株式会社環境衛生水処理センターでは、排水や中水に関わる業務などを行っています。
 
参考:一般社団法人奈良県環境保全協会
 

まとめ

排水には大きく分けて5種類あり、排水の種類によって、下水処理場での排水の処理方法が異なることがあります。
 
排水は中水に変えることで再利用することができ、中水は水源枯渇の観点やSGDsの観点から注目を集めているでしょう。
中水を利用することで、飲料水以外に利用する水を削減することができるため、中水に変えるための設備は今後普及していくと考えられています。
 
しかし、排水管の詰まりなどが生じると、汚水がきちんと排水されずに、家庭での排水トラブルを招きます。
排水管の詰まりは自分でも改善することができますが、油などが排水管に付着して詰まりを起こしている場合、付着している原因物質を取り除かなければ、排水管の詰まりは繰り返し発生してしまうのです。
このようなケースでは、水道修理業者などに依頼をすることで、詰まりの改善ができるでしょう。
 
排水管詰まりなどの、排水管のトラブルにお困りの際は、なら水道職人にご連絡ください!
なら水道職人では、薬品洗浄や高圧ポンプでの洗浄など、詰まりに応じて対処をさせていただきます。
 
詰まりには程度によって対処法を変える必要があるため、詰まりの状況に応じて対処法を変えることで、適切に詰まりの改善を行うことができるのです。
 
なら水道職人では、排水管トラブル以外の水まわりに関するトラブルのご相談を承っております。
WEBからもお電話からもお問い合わせいただけます。

なら水道職人 0120-492-315

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